Monday, August 29, 2011

数日前、久々に関東を離れて小旅行をして参りました。
そこでお知り合いになった素敵なご夫妻と、夕食時にとあるカフェの話題で盛り上がりました。カフェ謹製のスコーンが大変おいしく、よくミックス粉を買っては自作してもいたのですが、残念なことに数年前に粉の販売が終わってしまいました。
そこで、なければ作ってしまえとばかりに舌と記憶で再現をしたところ、そこそこのものができました。せっかくなのでここで公開してみます。宜しければ皆さんも作ってみてください。名付けてオトフォニクスコーン。
最初のバージョンでは強力粉が多くややしっかりもったりしていたのですが、2007年頃に割合などを変えて、小容量のオーブンでもざっくりするように改良したものです。

オトフォニクスコーン

材料:
ハルユタカ全粒粉強力粉150g
薄力粉(バイオレット)350g
原糖45g
塩5g
ベーキングパウダー10g
無塩バター150g
牛乳250cc

付け合わせ:
クロテットクリーム(あればダブルクリーム)
ブルーベリープレザーブなどお好みで

手順:
牛乳に砂糖を溶かしておく

このあたりで自分のオーブンの加熱時間を見つつ180°に予熱しておきます

牛乳と砂糖とバター以外の材料を全て混ぜる
バターは細かくして粉に混ぜて、バターの粒が無くなるまでよく混ぜる

砂糖を溶かした牛乳を合わせて、なめらかにする

トレイにオーブンシートを敷き、スプーンでピンポン球ほどの生地を掬ってざっくりと載せ並べる
意外に膨らむため、間隔は十分開けること

180℃のウォーターオーブンで25分ほど加熱

ウォーターオーブンがない場合は当然普通のオーブンで大丈夫です。
ヘルシオなどのスチームコンべくションオーブンで仕上げると失敗が少なく、生地がフワリサクリと仕上がります。
粉はハルユタカがなければ普通の強力粉で問題ありません。同様にバイオレットがない場合もフラワーなどで十分です。
ただし、その場合はグルテン量に応じて若干割合を変えた方がいいかもしれません。ハルユタカよりもハートやイーグルの方がグルテン量が多いため、強力粉を少し減らし薄力粉をその分増やします。
粉を加える際はふるった方が安心ですが、このレシピの場合ふるわなくてもそこまで問題はありません。

原糖とはいわゆるモラセスシュガーのことですが、なければ白糖で大丈夫ですが、砂糖の風味はやや落ちます。バランスとしては手に入りやすいきび砂糖がいいかもしれません。
バターも有塩しかない場合は有塩で問題ありません。むしろそちらの方が好みの方も多いでしょう。

作る際のポイントは、まず牛乳を粉と合わせる際に練らないこと。混ぜることに集中するあまりつい練ってしまうミスが多いのですが、強力粉にはグルテンが多く含まれるため、混ぜるだけでも十分です。練ってしまうと重くて堅いスコーンになってしまいます。

次にお砂糖をよく牛乳に溶かしておくこと。後から混ぜるよりも味がなじみやすく、練りすぎ防止にもなるため失敗が減らせます。

クロテットクリームはナカザワから手軽でおいしいものが発売されています。
元々のお店でもおそらくそれを使用しているはず。本式で行くならダブルクリームですが、滅多に手に入りません。

ブルーベリープレザーブはゆるゆるのものがオリジナルに近いのですが、ここはお好みでどんなジャムでもプレザーブでも大丈夫でしょう。
濃いめの紅茶をすっきり淹れてお手軽なティータイムにいかがでしょうか。

Wednesday, August 03, 2011

今までこちらでは一切告知をして参りませんでしたが、本日株式会社カプコン様より、任天堂3DS用ゲーム
謎惑館(なぞわくやかた) 音の間に間に
が発売になります。
立体音響研究は糊口をしのぐための仕事の合間にライフワークとして行っているため、どうしても連絡や折衝に割く時間がなく、CDの頒布依頼フォームとこのブログのコメント欄以外の連絡方法はありませんでした。であるにもかかわらずお声がけをいただき、最終的にこのような形でお役に立てたことが今でも半ば信じられない思いです。

録音方法が特殊な上、機器の関係でさらに特殊さが上塗りされたような状況でしたが、スタッフの方々も声優さん方も暖かく接してくださって楽しく仕事が出来ました。この場をお借りして、皆様本当に本当にお疲れ様でした。

使用されているボイスやSEはすべてオトフォニクスという訳ではありません。モノラル、3DS内蔵のリアルタイムバイノーラルなども併用されています。
リアルタイムバイノーラルは頭部伝達関数を用いて任意の場所にモノラル音声を定位できる技術です。
演算によって任意の定位が動かせるため、オトフォニクスのような音場記録方と異なり、本当の意味でゲームに向いている、使いやすい方式です。
そのようなものがちゃんとあるのにオトフォニクスのような面倒な録音方法を採用してくださった理由は様々あるのでしょうが、私の個人的な推測では、おそらく音場記録方式特有の実在感ではないかと思います。
耳元でキャラがささやくとき、リアルタイムバイノーラルは耳の位置にある点音源が全方位に音波を放射するのみですが、オトフォニクスではキャラを演じる声優さんの肉体の気配も含めた音場を記録するため、隣にキャラさえも超えて声優さんが実在し、耳元でささやきかけてくる、そんな音になっていると思います。

声優さんの演技以外にも意外なシーンで使われているので、お求めになった方は色々なシーンで耳を澄ましてみてください。
幸いにも今月11日から3DS本体は1万円もの値下げが行われ、より手に取りやすい価格になります。
事実上の値下げ後のローンチとして、この不思議な世界に耽溺してみてはいかがでしょうか。

というわけで、Otophonicscapeともどもよろしくお願いいたします。

Sunday, July 31, 2011

本日新しいCD Otophonicscape(オトフォニクスケープ)をリリースいたしました。

オトフォニクスとサウンドスケープを合わせた造語ですが、立体音響によるサウンドスケープ的な意味です。

今回のCDにはCDのレッドブックで規定された最大容量である74分に対して、ぎりぎりともいえる73分50秒をノンストップCDとして作成してあります。トラック数は69トラック。デモCDにふさわしく、短いトラックが次から次へと繰り出されるので、色々な音場を瞬時に渡り歩くような体験が出来るかもしれません。

内容としては以前にテストで頒布していたOtophonic Gadgets 2007と同じトラックが含まれるため、以前に頒布を受けてくださった方はだいたい半額にて頒布させていただきます。半額頒布に期限はありませんが、原則としてOtophonicscape頒布終了までの対応となります。

詳しくはこちらのページをご覧ください。

Thursday, July 14, 2011

前回のCDはその時点での成果をまずは形にして、興味を持ってくださった皆さんにまずは聞いていただく目的で作ったものでした。
どなたにお出ししても恥ずかしいことのないようにこだわった、CDそれ自体が作品のようなものでした。
なるべく品質にもこだわり、国産最良の太陽誘電製のメディアを用い、信濃絹糸製のドライブで書き込みを行い、16P(表紙含め20P)のブックレット、バックインレイ、キャップなどもCDの規格に合わせたものをすべて手作りし、少量ずつ一枚につき数時間かけてひとつひとつ手作業で形にしては発送しておりました(いわばマニファクチュアです)。

CDを焼き、両面印刷されたブックレット本紙を表紙と重ねて折り、製本用ホチキスで止め、裁断し、バックインレイとキャップを印刷して裁断し、折りの部分には点線カッターをかけてから折り、レーベルを印刷してスタンパで貼り付け、アセンブルしてからキャラメル包装代わりにビニールケースに収める…。

そうやって作ったCDを並べて、まるで工業製品のように同じ姿で整然としているのを見て不思議な感慨に襲われたものです。現代の工業規格に極力沿ったものを作っているので、そのままCDショップの棚に紛れ込ませてもパッと見にはまず気づかれない。であるにもかかわらずすべては手作業で作られた家内制手工業。
こういったものを特に宣伝することもなく細々と頒布していました。

立体音響に興味のある方が探してくださって有難いことに頒布を依頼してくださり、様々な人の手にわたっていきました。

そして十分にいきわたったのでしょう。今年に入ってからは頒布の依頼が来ることはなく、スナップショットの頒布は無事に終了しました。

今はその後の音源なども併せてリファレンスになるデモCDを作成しています。
月末までにアナウンスできると思います。以前頒布を受けてくださった方に特典も企画中です。
お楽しみにお待ちくださいませ。

Friday, April 22, 2011

前回予告していた動画の内、新宿については本日アップロードいたしました。


内容改変のため一端削除します


新宿駅南口改札から甲州街道を渡って戻ってくるだけの簡単な動画ですが、音場は様々に変化するのでおもしろいのではないかと思います。
なお、これは立体撮影されたものの内、左目にあたる情報のみを取り出しています。
そこで、左目のみで画面に対して気持ち右の方が見られればもっとも正確に再現できます。
ニコニコ動画にも投稿したのですが、時間が悪かったせいかまったく伸びなかったため、明日の夕方にでもアップし直す予定です。


Monday, April 04, 2011

ニコニコ動画及びYoutubeに動画を投稿してから数年経ちました。
じつは投稿してから程なくして研究を行う時間が減り、極力開発に費やすために時間を使ったため、伴って動画も半ば放置された形になっていました。
再開に当たってこれらもチェックしたところ、ニコニコで消さなかった方(都庁)の動画が数万、youtubeに至っては30万を超える再生数になっていて大変驚きました。
やっと再開した以上はもう少しこうしたデモ用の動画も作成していこうと思います。
それにしても、当時はノウハウが無かったとはいえ、超高画質タグが付いてしまうのも苦笑いしつつ納得できてしまう画質のひどさ。
当時のカメラが全く動画に向いていなかった上にエンコードの知識も乏しかったのだから目もあてられない。
ウェブサイトに上がっている方は若干マシだとはいえ、それもSerensonでエンコードされているflvであるためブロックノイズの塊といった感は否めません。
当時の動画のソースを元に再度エンコードするよりも、ここは新しい動画を作っていくのが望ましいでしょうか…。


Thursday, March 24, 2011

Otophonicsは死んだのでしょうか。

いいえ。

私のOtophonicsは長いこと休止していたのですが、結局再開の道を選びました。
現在旧Gadgetsの音源を大幅に新規音源と入れ替えた新しいCDを制作中です。
また、気鋭の作曲家にして朋友小野貴史のアルバム、ニコニコ動画などでも知られるというあるPさんのアルバムなどを制作の予定です。

音源を求めてこのブログまで来られた方は、音楽方面への応用として、小野貴史の作品集をお聴きになってみて下さい。
youtubeのotophonicsチャンネルにあります。

ところで、最近判明したのですが、最近のPCやポータブルプレーヤーはかなりDSPを積極利用していて、例えばあるノートパソコンのWindows7モデルでは、最初からDSPによる「音の明瞭化」が有効になっている模様。
このような環境では立体音響は立体に聞こえません。

必ずサラウンドや低音の補正などの音質補正は切ってお聴きください。

また、視聴に際してはインナーイヤフォンがお勧めですが、当初リファレンスとしていたソニーのMDR-EX90は数年前にディスコンとなり入手できない状況になっています。
その後リリースされたMDR-EX500SLも同様に良好で、これをお勧めしていたのですが、最近偶然購入したオーディオテクニカのdipが非常に良好で驚きました。
前記二つのイヤフォンはどちらも¥10,000を超える、低価格とは言い難いモデルだったのですが、dipは実売で¥1,500程度と非常にお手頃。それでいて低音も豊かに再生し、価格以上の音がします。ちょっと悔しいレベルです。
耳当たりはがさがさしていてコードも固く当たるたびにごそごそいうなど、決して快適とは言い難いのですが、音は価格帯を超えていると思います。
Otophonicsをお気軽に聴きたい場合、このイヤフォンならお勧めできます。
もしこのブログをごらんのメーカーさんなどでお勧めがありましたらご紹介頂けますでしょうか。

というわけで、Otophonicsブログも再開です。